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アイヌ文様
アイヌの人たちは霊送りや祖先の供養する儀礼の際には、正装をして身を整えます。男性は頭に冠、伝統文様を施した晴れ着の上に陣羽織、肩には刀を掛け、足には脚絆を着けます。女性は頭に鉢巻、耳にピアス、伝統文様を施した晴れ着に、首にはチョーカーのような飾帯、そして玉飾りをかけます。

アイヌの正装 アイヌの女性が正装のときに身につける首飾り。大陸や本州から入手したガラス玉・メノウ ・琥珀・水晶玉・飾り板をつなげて作られました。財産としての価値があり、身につける女性の地位を表したそうです。
                                        

靭皮衣 鳥皮衣 魚皮衣

古来アイヌの人は、鹿・アザラシ・鮭・鳥などの皮を継いで作った獣・魚・鳥皮衣や、オヒョウなどの樹皮を織って作った靭皮(じんぴ)衣を着用していました。樹皮で作った靭皮衣の開口部には文様が施されました。

木綿の古着やはぎれが手に入るようになってからは、木綿の加工のしやすさから、それらを縫いつないで文様の形状や刺繍の技法を発展させていきました。

なぜ文様を施すのが衣服の開口部(袖口・裾まわり・襟)なのかというと、人間の体内に魔物(厄災)が入り込まないように結界の役割として文様を施すのだそうです。

アイヌ文様は左右対称が基本で、モレウ(少し曲がる)とよばれる渦巻文とアイウシ(とげのある)とよばれる括弧{ }文が代表的です。他にも四方にとがる形の星・菱文や丸みをおびた十字文など、いくつもの文様がつながりあって無限に文様を作り出していきます。

また文様を施す技法が三種類あります。一つ目はテープ状に切り分けた布を衣服に縫いとめ、その上から刺繍をほどこしたルウンペというもの(写真AとC)。二つ目は広幅の布を切り抜いて衣服にとめ、その上から刺繍をほどこしたカパラミブというもの(写真BとD)。三つ目は直接衣服に刺繍をほどこしたチヂリというものです(写真E)

全体に括弧文が施されています。 中央部に十字文の中に星文が施されています。 脚絆に施された渦巻文。
刺繍は、コーチングステッチ(イカラリ)とチェーンステッチ(オホ)を組み合わせて刺すことが多く、模様の先端をのばして尖らせます。この刺し方をキラウ(角突起)といい、魔除けの意味合いがあります。
←左・菱の形の先端が二つに分かれて丸く曲がっている文様。

小刀(マキリ)は男女ともに日常的に携帯する大切な道具で、狩猟や漁撈、料理や木彫など生活のあらゆる場面で使われました。

また、盆(イタ)は食べ物を直接盛りつけたり、食椀をのせるのに使われました。マキリ ・イタともにアイヌの伝統文様が彫られ、工芸品としても高い芸術性を持っています。

 

左・S字文が施されたマキリ。→右・真ん中の丸文には、本州から取り入れられた巴文が施されています。
布や樹皮を縫う・編む・織るといった作業は女性の仕事で、木を彫る・削る・刳(く)るといった作業は男性の仕事だそうです。

年頃の女性たちは自ら縫った手甲や鉢巻を意中の男性に贈り、男性は小刀を彫って意中の女性に贈り、私はあなたと結婚して生活していくのに十分な仕事ができますよ、ということをアピールしたそうです。

四方に鋭く先端が尖っている括弧文のまわりに、渦巻文が施されています。 尖った先端から左右に弧を描き翼を広げたような形の文様。
                                        

アイヌの人たちが、精神世界を重んじ自然と共存する人々という一面だけではなく、国家間を仲介した時期もある交易商でもあったということに驚きました。

積極的に外来文化を取り入れ、生活様式を発展させ、アイヌ独自の世界を形成していったんだろうと思います。

またアイヌの衣服や工芸品は交易品としても流通しており、その芸術性が外からの刺激によってもみがかれたのだろうと思います。

そんなアイヌの人たちの誇りであるアイヌ文様に、無限の力を感じました。(完)

                                        
アイヌ文様の説明で引用・参考にしました。
アイヌ文様の美/北海道立近代美術館 アイヌモシリ/国立民族学博物館
 
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