Batik Gallery  バティックギャラリー Indonesian Batik on-line shop
pelan-pelan プランプラン
Home 注文方法 Batikの魅力 pelan-pelan 紀行 お問い合わせメール 通販規約 参考文献
 
トラジャ水牛紀行 1

トラジャ(toraja)はインドネシア・スラウェシ島中部の山岳地帯にあり、両端が高く反り上がった船形の屋根を持つトンコナン(tongkonan)家屋と壮大な葬式儀礼で有名です。

トラジャ人はアルク・ト・ドロ(aluk to dolo/祖先のやり方という意)という伝統儀礼の様式や精神を今もなお守り続けており、それにしたがって稲作儀礼・新築儀礼・病気駆除・豊穣儀礼、そして葬式などの死者儀礼を行っています。

                                

 

トラジャでは方位が重要視され、神聖な方向である北に向かってトンコナンは建てられます。そして広場をはさんで向かい側にトンコナン所有者の富を表す米倉(アラン/alang)が建ち並びます。

それらの伝統建築の壁面には装飾文様が埋め尽くされ、トラジャ人の精神や信仰を象徴する意味が込められています。彫刻された装飾文様は4色で彩色され、赤は血、白は骨、黄は収穫・神の加護、黒は死を象徴します。

集落の長の家には、破風下にカボンゴ(kabongngo)と呼ばれる木彫の水牛の頭部、その頭上には鶏の首を長く伸ばしたカティック(katik)が飾られます。カボンゴは権力と地位、カティックは守護の象徴的意味を持ちます。屋根を支える柱にくくりつけられた水牛の角は、過去の儀礼の記念とともにその家の格式の高さを表します。

 

トンコナンごとに装飾文様の組み合わせが異なります。その中の2軒の文様をクローズアップして見てみます。

神を表す太陽と夜明けを告げる雄鶏。夜明けと生活の始まりを象徴する赤地をベースに、対で描かれることが多い。日々の規則正しい生活と神の加護を表す文様。

雄鶏文はPA'MANUK LONDONGと言い、Londongは雄鶏を意味する。雄鶏は時間が分かることから賢明さの象徴。

太陽文はPA'BARRE ALLOと言い、Barreは円、Alloは太陽を意味する。太陽は純潔な光を世界に与え生命を生み出すことから、偉大さや高潔さを象徴する文様。

PA'KAPU' BAKA(左)

Pa'は〜のような、Kapu'は飾り結び、Bakaは箱を意味し、箱のふたの飾り結びを表す文様。箱は持ち物を保管しておくために使われ、ふたの飾り結びは丁寧に結ばれる。この箱の持ち主にとってこの結び目は秘密のもので、もし結び目が違っていたとしたら、誰かが中の物を持って行ったということになる。このことから、すべての子孫が一体化して共に平和に暮らすことや、所有物がきちんと安全に守られる社会で幸福に暮らすことを願う文様。

PA'DOTI SILUANG(右)

Dotiはまだら模様の牛や黒魔術を意味し、Siluangはサロンに包まれることを意味する。この文様は高価なまだら模様の水牛を表す。この文様は伝統家屋だけではなく、トラジャの貴族階級の女性の遺体を覆う布にも見られ、男性に使われることはない。女性を大切にすることを表した文様。

PA'TANGKE LUMU'

Tangkeは枝、Lumu'は海藻を意味し、海藻の枝を表す文様。海藻は多くの収穫をもたらす水田を暗喩する。また海藻の枝は水中で同時に波に揺れる。これらのことから、家族が離れることなく共に幸福な生活を送ることを願う文様。

 

PA'LOLO TABANG(右)

Loloは新芽、Tabangは薬草の一種である竜血樹を意味する。健康で病気を遠ざけることを願う文様。

 

PA'SEPU' TORONGKONG(両側)

Sepu'はビンロウを入れる袋、Toは人、Rongkongは地名を意味する。この文様は、ロンコン人のビンロウを入れる袋の刺繍を表す。

PA'BULITTONG SITEBA'(中央)

Bulittongはおたまじゃくし、Siteba'は静かに泳ぐことを意味する。おたまじゃくしは静かな澄んだ水の中で生活している。このことから、子孫が平和に幸福に暮らすことを願う文様。

 

 

金のクリス(keris/剣・トラジャ語ではgayang)はトラジャで最も高価な品で、威厳を示すものとして儀礼に用いられる。豊かで平和な生活を願う文様。

 

PA'TANDUK RE'PE(上)

Tandukは角、Re'peはたくさんの果実を持っているため湾曲することを意味する。水牛の角を表す文様。水牛と同等の価値がある財産を築くよう努力することを表した文様。

PA'BARANA'1(下)

Barana'は菩提樹(バニヤンツリー)を意味し、この文様の先端部分がその葉を表す。菩提樹は大きく葉が多いので、鳥の隠れ場所となる。このことから一代で富と繁栄を築く、そして人々を率い、守るリーダーが一族から現れることを願う文様。

PA'BARANA'2(両側)

Barana'は菩提樹(バニヤンツリー)を意味し、この文様はその葉を表す。菩提樹は木陰をつくる木で、土や岩、どんなところでも成長する。このことから、子孫から良きリーダーが現れることを願う文様。

PA'TEDONG(中央)

Tedongは水牛を意味する。トラジャでは水牛は主要な家畜で、大切に取り扱われる。水牛は結婚の持参金、取引の手段、祖先への供犠などの役割を持つ。このことから、富と繁栄を象徴した文様。

PA'ULU KARUA

Uluは頭、Karuaは8を意味する。最高神プアン・マトゥア(Puang Matua)によって創り出された8人の祖先が彼らの子孫にさまざまな知識と技術を伝えたというトラジャの創世神話から、人々の為になる高い見識を持った人間が一族から現れることを望む文様。

PA'KANGKUNG

カンクン(空芯菜)を表す文様。カンクンは水中でよく育つつる性の野菜。このことから、自分の為だけではなく人に為にも生きること、また健康でより良い生活を送ることを望む文様。

PA'DON BOLU(両端)

Donは葉、Boluはビンロウ(インドネシア語ではシリsirih)を意味する。ビンロウの葉は嗜好品として噛んだり、伝統儀礼において神の加護を祈るための奉納品としても使われる。

PA'BUNGKANG TASIK

Bungkangは蟹、Tasikは海を意味する。蟹は海に住んでおり贅沢品であることから、山岳地に住む者も海の恵みを得ることを願う文様。

 

この他にもこのような文様があります。

NE' LIMBONGAN

Limbonganはトラジャで初の建築家の名前で、巨万の富を築いた。Limbongは周囲に生命を与える枯れることのない泉を意味する。このことから4つの方位から幸運を得、それを子孫に与えられることを願う文様。

PA'BULU LONDONG(上)

Buluは羽、Londongは雄鶏を意味し、雄鶏のふさふさの羽を表す文様。Londongには「Londong pia muane(美しい男か勇敢な男か)」という有名な言い回しがあり、貴族の男は良き指導者であることが期待される。このことから、勇気と見識を象徴する文様。

PA'BOMBO UAI(下)

Bomboは臨終にある人の魂を意味するが、この文様においては動物を示し、Uaiは水を意味する。Bombo uaiは水面を俊敏に移動するアメンボを表す。このことから、成功するために時間を守ってきびきびと働くこと、そして多くの収穫・利益を得るための技能を身につけることを表した文様。

PA'TANGKI' PATTUNG

Tangki'は植える、Pattungは竹を意味し、竹で作ったコップの形を表す。竹はトラジャの主要な植物で、筍は食料として、幹は手工芸品や食器への加工、また建材、燃料としてさまざまに利用される。このことから、全ての作業が円滑に行われるよう家族の団結を維持することを表す文様。

またこの文様は数字の8を表し、8+8=16、その1と6を足して7になる。7はトラジャで最も重要な数字で、トラジャ人は7777の人生哲学を持つ。団結・平等の精神を育むことを表した文様。

PA'SULAN SANGBUA

Sulanはタバコやシリ(ビンロウ)を包むことを意味し、神への奉納品であるシリを入れる袋を表す文様。貴族の偉大さを象徴する。

 

TOP  トラジャ2  トラジャ3  マカッサル